いつもSALMON-RATを応援してくれているみなさん。
こんにちは。はじめまして。
かつてSALMON-RAT創立メンバーも制作に携わっていた『ワールドフリッパー』というゲームで、メインストーリーなどなどを書いておりました。有川と申します。
あの仲間達が、なんとインディーズゲームスタジオを立ち上げた。しかもポンポコ新しいゲームを作り出している!という事で、「俺もなにかやらせて。応援させて。長門さん!(SALMON-RAT代表)」と助力を申し出たところ、
このたびめでたく広報アシスタントとして、この開発ログの執筆者に名を連ねる事となりました。
どうかみなさま、よろしくお願いいたします。
というわけで先日体験版がリリースされたばかりの『ECHOLAND』について!
今回はSALMON-RATの開発パートナーである(そしてやはりかつての仲間でもある)moyadot.さんに、開発秘話を交えたインタビューを行いました。
日本時間10月20日から27日02:00まで開催中のSteam NEXTフェスに向けて、無料体験版がリリースされた、SALMON-RATの新作タイトル。
美しいBGMと心地よいSEと共に、滅んだ地球を掘り進める。デスクトップアクセサリのようでもありつつ、厳選した装備品の組み合わせによって、怒涛のクリック爆破採掘や全自動高速採掘も可能としてしまう。そんな、採掘系クリッカービルドゲーム。
なにそれ、どういう事?と興味を持った方は、ぜひ無料体験版をダウンロードしてみてください!

そんな『ECHOLAND』が、どんな思いで、如何にして作られたのか?どうかお楽しみください。
有川: まず、自己紹介をお願いします。moyadot.さんとは、どういう方なんでしょうか。
moyadot.: ゲームを作りたいだけの人です(笑)。
Xアカウント:https://x.com/moyadot_dev
もともと個人でゲームを作りたいとずっと思っていたんです。ゲーム制作自体は受注開発など、クライアントワークとして携わる事もあったんですが、個人制作としてはこのECHOLANDがはじめての発表作品となります。
moyadot.という名義も、インディーズゲーム作家としてやるぞと思って作った名前なんです。
有川: 僕とmoyadot.さんが知り合ったのも、ワールドフリッパーというまさにそのクライアントワークの現場でしたよね。その節は大変お世話になりました……。
moyadot.: でも、今はもう一切クライアントワークはしていないんですよ。
有川: えっ、一切ですか?
moyadot.: クライアントワークをしつつ、自分の時間で自分のゲームを作る……というのも一つの理想だとは思うんですが、そういう適度に力を配分するみたいなのが、ヘタクソなんですよね(笑)。仕事があると、仕事の方で全力を使いきっちゃうんです。
なので、仕事はきっぱり辞めて、今はもうこっちに全ベットするしかないなと。もうしばらくはECHOLANDの制作に全力です。
有川: ああ~……納得です。
※インタビューアー注:この二人は仕事仲間だったため、moyadot.さんが全力を尽くした結果、品質が規定の枠を超えて爆発するかわり、moyadot.さんは精根尽きる……といった事例を幾つも経験しているからです。その過剰な仕事ぶりに、大変お世話になっておりました。
moyadot.: これはもう、僕の「癖」みたいなものだと思っています。
本来、そこまで力を入れる予定ではなかったところに、過剰に力を入れてしまうというか……やりすぎるというか。結果、ECHOLANDも当初の予定からは内容が大きく変わっています(笑)。
有川: 僕がSALMON-RATに入った時のmoyadot.さんによる紹介では「これはフレーバー要素が詰まっているだけの、デスクトップアクセサリなんです」との事でした。
いや、嘘だろうと(笑)。だって装備画面に「ビルドセットの切り替え機能」があるし、明らかにやり込み要素的なものがもうそこにあって……。え、そういう風に広報していいのかな?と混乱しましたからね!
明らかにビルドを切り替える事を想定しているUIがある
moyadot.: 最初は本当にそうだったんですよ(笑)。
そもそもの発端が、『ユメヤマイ』の制作者のクロユキさんや代表の長門さんとの雑談からなんです。「採掘ゲームが流行っているよね」「デスクトップコンパニオンやウィジェットも流行ってる」「組み合わせたらいいんじゃね?」と盛り上がってしまって、それじゃあちょっと作ってみようか、という軽いノリからのスタートなんです。
僕自身、もともと小規模なカジュアルゲームを作るのが好きなんですよ。今でもゲームボーイアドバンスやDSのゲームが好きですし、小さいところに色んなものが詰まっている感じも好きで。
昔のiPhoneに『Ramp Champ』というゲームがあって、それがめちゃくちゃ好きだったんです。玉を弾いて的に当てると、チケットが出てきて。それを集めて、景品の小さいフィギュアみたいなものを棚に並べるんですけど。その質感とか、小さなものがぎゅっと収まっている感じとか、ECHOLANDも強く影響を受けていますね。
有川: ミニチュアな魅力ですよね。ピクセルアートというものも、小さい世界に情報を圧縮したものですし、繋がっている感じがしますね。
ただ、デスクトップに小さな窓で――というところは当初から変わらなかった一方で、その中身はどんどん変化していったわけですよね?
moyadot.: 最初は特に繋がりのないものを集めていくだけでもいいと思っていたんですけれど、作っていく内に、ただただ下に進んでいくだけでは単調だよね、と思うようになってしまって。
世界観がなかった頃のプロトタイプはこうだった
遊ぶ人にとって、先へ進む事には新しい発見や体験が必要だと思ったんです。それならやっぱり、世界観を入れるしかないなと。
偶然見つけたもののフレーバーテキストを読んで、この星で何があったんだ?と頭の中で線を引いてもらえるような、そういうものにしたくなったんです。
有川: コレクションに意味を持たせて、想像する楽しみや考察できる体験を入れ始めたんですね。それが滅んだ星の記憶であるというのが、ECHOLANDの特色にもなってますよね。
moyadot.: 同じ理由で装備を手に入れて強化するサイクルとか、ビルドゲームの要素も拡充していったので、もうそこまでする必要もなかったのかもしれないんですけど、やろうと思ったことは詰めてしまうんですよね。
やるからには、設定をちゃんと練ろう。適当にやらないで大事にしよう。となって……気が付いたら星の歴史が4000年分ぐらいになっちゃうんですけど。
有川: 4000年!?!?!?
moyadot.: ざっくりとですが、年表みたいなものもあります。
プレイヤーが最初に掘っていくエリアは、一番新しい地層なんですよね。そこから4000年分の滅びの歴史を逆順に遡っていくように掘っていくんです。体験版は時代地層的にはほんの触りの一時代にすぎないので、製品版ではそれが体験できるようになる予定です。
人類の文明がサルベージに頼るまで衰退した時代
それをどう体験してもらおうか?というのが今の制作上の悩ましいところでもあるんですが……こういう感じで、どんどんこだわって詰めていっちゃうんですよね。
有川: それにしても4000年はすごい。だけどそれは、あくまでフレーバーテキストとビジュアルで語られていくわけですよね。
moyadot.: そう、放置ゲームですから。
僕がこだわって作ったものを、じゃあ全部語るべきかというと、そうではないんですよね。基本放置できるゲームなので、ずっと話を聞いてもらうようなものにはできない。
本当は、この場面ではこの演出を見てほしいとか、ここでBGMが切り替わるのを感じてほしいとか、あるんですけど。そういうものを見せたい気持ちと、このゲームの形式にはギャップがあるんですよね。
例えばコレクションアイテムを取った時の表示も、画面にカーソルを入れなければ、だんだんタイマーが減って、自動で閉じるようになっています。本当は読んでほしい気持ちがあるんですけど、それを待っていたら放置ゲームとして成り立たない。でももし画面をその時に見ていたら、お?となるようなテキストや演出には絶対にしたい。
それでギリギリのところでチューニングしまくった結果なんですよね。
放置採掘のデスクトップゲームという枠で考えたら、これでいいと思っているんです。その上で、やりたい事を何とかその制限された枠に詰め込もうとしている。正直、悪あがきという感じなんですが、最大限いい塩梅にしようと努力しています(笑)。
有川: 僕は、それこそがECHOLANDの魅力なんじゃないかなとは感じました。
小さな画面の小さな枠に、その印象からは程遠い膨大なものが詰め込まれてる。手触りもいいし、ビルドゲームとして遊べる懐もあって、星の記憶を辿る物語まである。演出のタイミングとか1ドットの演技までこだわっている。だけど、その枠を壊すまいという抑制の圧力も加わって――高密度の結晶になってるみたいなイメージなんです。
そこに、moyadot.さんの作風ともいうべきものを感じてます。
moyadot.: だとしたら、嬉しいですね。そこにこだわりがあるのは間違いない事ですから。
僕としても、ギャップがあるから、じゃあやめておこう、とは考えませんでした。インディーゲームって、やりたい事をやっている人たちの場所だと思うので。そういうものも許されるというか、楽しまれる場所だよね、という気持ちもあります。
なので自分の感覚としては悪あがきとか、無駄な力の入れ方なんですけど、本当にこだわって作ったところなので、裏側にある世界観や体験を感じてもらえれば嬉しいなと思っています。
有川: ここからはちょっと体験版の話も聞きたいです。
体験版は、世界観に関してはまだ触りだけという事でしたが、ビルドゲームとしてはもう相当遊べるものになってますよね。
装備の組み合わせを突き詰めるとすごい事になる
moyadot.: ちょっと自分が想定した以上に楽しんでくれている人がいるようで、正直すごく嬉しいですね。励みになります。
改めて思ったのが、ゲームってその人の限りある時間を数時間単位で使ってもらってるのがはっきり分かるから、独特の嬉しさがあるなと思いました。
周回プレイまでしてビルドを極めようとしてる方もいて、そういう遊び方に応える形もあるのかな……と考えたりもしています。今は製品版のための制作が第一なので、まだふわっとした考えではあるんですが。
有川: 製品版ではどういったところが体験版から拡充されていくんでしょう?
moyadot.: 掘り進められる奥行きというか、量については圧倒的に増えますね。装備品や遺物も勿論ずっと増えます。
ちょっと体験版の反応をみて、量をどう消化してもらうか、楽しんでもらうかというところは考えたい事が増えてしまっているので、ここではまだ確かな事は言えないんですが(笑)、背景などのアセット換算で、少なくとも5倍以上にはなる予定ですね。
世界観の体験はこれまで話した通り、体験版は最初の1エリアにすぎないので製品版での体験こそが本番で、しっかり完結まで入る予定です。
システム的な話だと、不要になった装備品などのリソースをどうにかしたいと考えています。少なくとも、不用品を整理する機能は間違いなく入りますね。
有川: ちょっと気の早い話ではありますが、製品版リリースのあとのアップデートについては、考えてる事などはありますか?
moyadot.: やりたいですね。アイディアも既に頭の中にあって、どういう形で出すべきかを考えています。あまりに新しいアイディアなら、別のゲームにした方がいいかもしれませんが(笑)。
今は溜めている状態です。やりはじめると、やりすぎてしまうので(笑)、まずは正式リリース版をしっかり出すために集中ですね。
有川: 個人的にも、広報としても、正座してお待ちしております。
では最後に、これを読んでいるみなさんに伝えたい事などがあれば、ぜひ。
moyadot.: ウィッシュリストに入れてください(笑)。
有川: 大事なことすぎる。
moyadot.: 見えないところまで、やりすぎなぐらい、こだわりを詰め込みました。ぜひ体験版を触ってみてください……!
ECHOLAND製品版は今冬リリース予定。
SteamNEXTフェスにエントリされた体験版が絶賛公開中です。是非とも体験の上、ウィッシュリストへの登録をお願いします。

この記事を書いた人 有川光太
実はフリーランスゲームクリエイター。代表作ワールドフリッパーではメインストーリーすべての執筆と、コンテンツ全体の総合品質監修を担当。その後、育児に参加したいと長期自主休業していたら復帰の仕方がわからなくなってしまいSALMON-RATに救助された。お仕事募集中です。
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