もともと、自分が作った物語を誰かに読んでもらいたくて、そのための手段を探していました。
小説や漫画など、さまざまな方法を模索する中で、「大好きなテレビゲームを自分で作りたい」という昔からのもう一つの夢と結びつき、オリジナルゲームを一本、自分の力だけで作ってみたいと考えるようになりました。
過去に簡単なアプリゲームを作った経験はあったものの、アドベンチャーゲームを丸々一本作るのは、かなりハードルが高いと感じていました。ただ、本職がプログラマーなのでプログラミングには自信がありましたし、ゲームエンジンやAIなど、以前より発達したツールをうまく活用すれば何とかなるのではないかと思い、開発に踏み切りました。
高校生探偵ものの王道ストーリーに、能力バトルや怪異譚の要素を組み合わせ、先の読めない展開を目指しました。
各章のトリックや謎解きは、一見すると人間の仕業や自然現象に思えますが、実は怪異や謎の能力が絡んでいる、という二重構造になっています。また、章ごとに「サスペンス」「ホラー」「暗号解読」「純粋な推理もの」など、ミステリーのさまざまな醍醐味を味わえる構成にしています。
特に力を入れたのはシナリオです。プレイヤー自身が推理し、何気ないヒントや違和感を手がかりに事件の真相へ近づいていく楽しさを感じられるよう意識しました。
制作全体を通して、自分の力で作り上げることも大切にしました。そのため、至らない部分や理想どおりに作れなかった部分もありますが、今後のアップデートや続編の制作でも、この姿勢を変えずに取り組んでいきたいと考えています。
主人公・鼓太郎が推理するパートでは、事件の真相を人間の行動や自然現象といった現実的な視点から解き明かしていきます。プレイヤーも選択肢を選びながら、「自分で事件を解く」面白さを味わえます。 一方、怪異や異常現象が現れると、能力を持つヒロイン・なつみのバトルや、異能を使うことへの葛藤が見せ場になります。 こうした基本構造を毎回取り入れつつ、プレイヤーを飽きさせないよう、バリエーション豊かなシナリオを用意することに苦労しました。
ヒロインは主人公にぞっこんなのに、主人公からは塩対応される――そんな関係性が個人的にとても好きなので、その雰囲気を出せるよう、楽しみながら執筆しました。 また、二人の関係性がシナリオの中できちんと意味を持つよう意識して描いています。
自分自身が楽しんで描けるように、物語の大枠はあえて決めすぎずに作りました。 それでも描きたいキャラクターやシーンはたくさんあり、アイデアの半分以上は採用できなかったと思います。 もし今後、続編を作る機会があれば、それらのアイデアをうまく生かし、世界観を広げながら描いていきたいです。
ゲーム自体の開発にも苦労は多かったですが、それ以上に「無名のゲームを多くの人に知ってもらう」ことに大変苦労しました。 Steamキュレーターへの依頼、SNSやYouTubeでの情報発信等、できることはなんでもやろうという姿勢で、今も苦労は継続しています。
先行プレイをしていただいたキュレーターの方々から、シナリオやキャラクターよりも、ゲームシステムに関するご指摘を多くいただいたことが印象に残っています。 当時はメッセージのスキップ機能やゲームウィンドウの調整機能がなく、そうした機能の有無がプレイ体験に大きく影響することを痛感し、すぐにアップデートで対応しました。 今後もいただいたご意見を参考に、より快適な環境で遊んでいただけるよう努めていきたいと思います。
「奇跡の探偵」は学校が舞台なので、学校生活の中で起こる事件をもっと描いてみたいです。たとえば、文化祭や体育祭など、多くの生徒が集まる場で起きた大事件に鼓太郎たちが挑む――そんな大掛かりなシナリオを描けたら理想的ですね。 また、新キャラクターの登場や、今作では描ききれなかったアイデアにも挑戦してみたいと思っています。
この作品は私にとって初めての本格的な長編アドベンチャーゲームです。 自分の中にしか存在しなかった物語を、ゲームの形で皆さんに知ってもらい、体験してもらえることを目指し、丸1年かけてほぼ全てを一人で開発してきました。 至らない部分も多いかと思いますが、ぜひ遊んでいただき、感想をお寄せいただければ大変嬉しいです。 ゲームの主人公である鼓太郎やなつみ、そして登場人物たちは、それぞれ自分だけの悩みを持ち、自分自身の存在に疑問を抱き、歩むべき道を探しています。 このゲームが、同じように悩む方達の背中を少しでも押すことができれば幸せです。
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