こんにちは。個人ゲーム開発者の Ray Luna です。 GiantK Gamesを運営しながら、ゲーム開発を行っています。
今回は、すでにSteamで発売している『SoulUp』が、どのように現在の形になったのかを少し振り返ってみたいと思います。
『SoulUp』は、最初から「塔を登りながらボスと戦うゲーム」として作り始めたわけではありません。
『SoulUp』を作り始めたきっかけの一つは、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の戦闘でした。
敵の攻撃を見て、タイミングよく受け流し、そこから反撃につなげる。 あの緊張感と、うまく決まったときの気持ちよさがとても好きでした。
自分でも、パリィと反撃を中心にしたボス戦を作ってみたい。
それが『SoulUp』の最初の出発点でした。
当初は、ボス戦を中心にした比較的シンプルなアクションゲームを想定していました。
開発では、限られた期間の中でゲームを完成させ、実際に発売することを一つの大きな目標にしていました。
最初は、異なる攻撃パターンを持つボスを10体ほど用意する予定でした。
しかし実際に作り始めてみると、それぞれのボスに専用の攻撃、アニメーション、パリィのタイミング、演出、バランス調整を用意するには、想像していた以上に時間が必要でした。
そこで、数を増やすことよりも、一つ一つの戦闘をきちんと形にすることを優先し、ボスの数を5体に絞ることにしました。
開発規模としては現実的になりましたが、今度は別の問題が出てきました。
ボスを5体にすると、ボス戦そのものは作りやすくなった一方で、ゲーム全体の流れがかなりシンプルになりました。
ボスを倒して、次のボスへ移動して、また戦う。
それだけでは、ボス戦とボス戦の間が少し寂しく感じました。
そこで考えたのが、
「戦闘とは違う形で、プレイヤーが緊張できる要素を入れられないか」
ということでした。
そこで思いついたのが、塔を上へ上へと登っていく構造です。
『Only Up!』のようなゲームには、敵と戦わなくても、
「ここで落ちたらどうしよう」
という独特の緊張感があります。
ボス戦では、敵の攻撃を見てパリィする緊張感。
登る場面では、足場を踏み外して下へ落ちるかもしれない緊張感。
まったく違う種類の緊張感ですが、この二つを一つのゲームに入れてみたら面白いのではないかと思いました。
こうして『SoulUp』は、
塔を登る → ボスと戦う → また登る
という、現在の形へ少しずつ変わっていきました。
開発初期の『SoulUp』は、発売版とはかなり違う姿をしていました。
最初は、パリィや攻撃、ボスの動きを確認するためのシンプルなステージを中心に制作していました。
【開発初期のスクリーンショット】
開発を進める中で、キャラクターやボス、ステージ構成、ライティング、エフェクトなどを何度も調整しながら、少しずつ現在の姿に近づいていきました。
【発売版のスクリーンショット】
特に「塔を登る」という要素を加えてからは、見た目だけでなく、ゲームの遊び方そのものも大きく変わりました。
最初は「パリィを中心にしたボス戦」を作ることが目的でしたが、最終的には、
「登る緊張感」と「戦う緊張感」を組み合わせたゲーム
になりました。
開発初期と発売版を並べてみると、ビジュアルだけでなく、ゲームそのものの方向性が開発中に大きく変化していったことが分かります。
結果として『SoulUp』は、典型的なソウルライクでもなく、典型的な「登るゲーム」でもない作品になりました。
最初からこの組み合わせを狙っていたわけではありません。
限られた開発期間の中で、ゲームのボリュームや遊びの流れを考えながら試行錯誤した結果、自然と現在の形になったという方が近いです。
開発しているときは、
「ボス戦の緊張感と、登る緊張感の両方を楽しんでもらえるのではないか」
と考えていました。
実際に完成したゲームを見ると、自分でも少し不思議で、面白い組み合わせになったと思います。
実際にプレイヤーの方々に遊んでもらうようになると、この組み合わせならではの難しさも見えてきました。
登るゲームが好きなプレイヤーにとっては、ボス戦が予想以上に難しく感じられることがあります。
逆に、アクションやボス戦を楽しみたいプレイヤーにとっては、塔を登る部分の方が大きな壁になることもありました。
開発中は、二つの遊びを組み合わせれば、二つの面白さを楽しんでもらえると考えていました。
しかし発売してみると、
二つのジャンルを組み合わせると、面白さだけでなく、それぞれの難しさも一緒に入ってくる。
ということを強く感じました。
これは『SoulUp』を作ったことで得られた、大きな経験の一つです。
発売前には、Steamでデモ版も公開しました。
その中で、日本のプレイヤーの方が『SoulUp』のデモを遊んでくださったYouTube動画がありました。
【YouTube動画を埋め込み】
何度も挑戦しながら進んでいる様子を見ることができて、開発者としてとても印象に残っています。
自分で何度もテストしているゲームでも、他の人が遊ぶとまったく違って見えます。
どこで迷うのか。 どこで驚くのか。 どこで笑うのか。 そして、失敗したあとにもう一度挑戦してくれるのか。
実際にプレイしている姿を見ることで、開発中には気づかなかった部分が見えてくることもありました。
ゲームを作る側にとって、誰かが自分のゲームを実際に遊んでいる姿を見ることは、本当に貴重な経験だと感じました。
『SoulUp』は最終的にSteamで発売することができました。
ただ、発売を終えてから改めて感じたことがあります。
それは、
ゲームを完成させることと、そのゲームを知ってもらうことは別の仕事だった
ということです。
当時は、開発と発売準備に集中するあまり、プロモーションに十分な時間を使うことができませんでした。
どんなゲームなのかを伝えること。
スクリーンショットや動画を継続して公開すること。
ゲームの存在そのものをプレイヤーに知ってもらうこと。
そうしたことも含めて、ゲームを届けるための大切な工程なのだと、発売してから強く感じました。
この経験は、その後のゲーム開発でもかなり意識している部分です。
『SoulUp』は、最初に考えていた形から何度も変化しながら完成したゲームです。
パリィ中心のボス戦から始まり、
ボスの数を調整し、
ゲーム全体の流れを考え、
そこに塔を登る要素が加わり、
最終的には「登る」と「戦う」を組み合わせた、少し変わったゲームになりました。
異なるジャンルを組み合わせる難しさ。
限られた期間の中で開発規模を調整すること。
実際のプレイヤーが感じる難しさ。
そして、ゲームを作るだけでなく、知ってもらうことの大切さ。
一本のゲームを企画から完成、Steamでの発売まで経験したことで、たくさんのことを学ぶことができました。
すべてが最初の計画通りに進んだわけではありませんが、その試行錯誤も含めて『SoulUp』を作った経験だったと思っています。
今後もGameWith Indieでは、『SoulUp』を開発する中で考えたことや、発売してから気づいたことなどを、少しずつ振り返っていければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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