Steamの審査前に「Steam経由で5分以上のプレイ」が必須に。リリースチェックリストに新項目、審査は現在最大12営業日
Valveが、Steamのリリース前審査の手続きを更新しました。審査を申請する前に、Steam経由で5分以上ゲームを起動しておくことなどがチェックリストに加わっています。審査は現在、最大12営業日かかるとのこと。
審査の申請が増加、「初回で審査を完了できる」ための変更
Valveは2026年11月3日(現地時間)、Steamworksの開発者向けにお知らせ「リリース前のレビュープロセスに関するアップデート」を公開しました。
お知らせによると、ここ数か月でストアページとゲームビルドのレビュー(審査)への提出が大幅に増えており、Valveは過去数週間にわたってレビュープロセスの拡張に取り組んできたとのことです。今回紹介されたのは、ここ数週間ですでに導入された最初の改善点です。
変更の目的は、より多くの開発者がビルドレビューを初回で完了できるようにし、基本的な機能上の問題による再レビューを減らすこと。多くの開発者から「レビュー結果を受け取るまでに予想以上に待たされることが大きなストレスになっている」という声が寄せられていたとしており、ビルドのレビュープロセスには今後もさらに改善が加えられる予定です。
リリースチェックリストに追加された項目
Steamworksの「リリースチェックリスト」に、次の項目が追加されています。
Steam経由でゲームを5分以上実行していること
審査を申請する前に、Steam上である程度のプレイ時間を記録しておくことが必須になりました。
Valveはこの項目を追加した理由について、「信じられないかもしれませんが、Steam上で一度もプレイされたことのないビルドをレビューすることがあります」と説明。開発者が実行ファイルを直接起動してスムーズに動いたとしても、Steam経由でインストールして遊ぶユーザーに影響する基本的な手順を見落としている可能性があるためです。Steam上で実際にプレイすることで、起動オプションが正しく設定されているか、必要なコンテンツデポが含まれているかを確認しやすくなるとしています。
チェックリストの条件は次のとおりです。
- Steamで緑色の「プレイ」ボタンをクリックしてゲームを起動し、5分以上実行する
- どのユーザーのプレイ時間でも構わない
- 過去7日以内のプレイ時間であること(最後のビルドのアップロードが7日より前の場合は、そのアップロード以降のプレイ時間が対象) ゲームを終了してから、プレイ時間がリリースチェックリストに反映されるまでには数分かかるとのことです。
必要な共通再頒布可能パッケージがすべて確認済みであること
Steamは、DirectXやVisual C++、.NET、XNAなど、ゲームで使われる一般的な再頒布可能パッケージを自動でインストールできます。今後は、Steamにインストールさせる必要があるものを指定するか、どれも必要ないことを示す必要があります。多くのゲームエンジンではこの設定は一切不要ですが、一部のエンジンでは、動作のためにこれらが確実にインストールされている必要があるとされています。
実績の準備が整っていること
名前やアイコンが未設定の実績や、名前が重複している実績など、実績の設定に不備がある場合に通知されるようになりました。
Steamクラウドセーブが検出されること
Steamクラウドへの対応をうたっている場合は、パートナーグループのメンバーの誰かが、実際にSteamクラウドへセーブファイルを書き込んでおく必要があります。これで、セーブパスが正しく設定されているかを確認できます。
また、クラウド同期が開発者モードのままになっている場合にも通知されます。プレイヤーがこの機能を使えるようにするには、公開設定に切り替える必要があります。
カテゴリーが「ゲームプレイ」のスクリーンショットが5枚あること
スクリーンショットに選べるカテゴリーが追加されました。これまでストアにアップロードできるスクリーンショットはゲームプレイを示すものに限られていましたが、今後はメニュー画面の画像やコンセプトアート、ゲーム内のシネマティックシーンも、正しいカテゴリーに分類すればアップロードできます。
これらのカテゴリーは、ストア上でスクリーンショットのラベルとして表示されます。プレイヤーにとっても、その画像がゲームプレイなのか、コンセプトアートなのかが分かりやすくなりそうです。
なお、スクリーンショットをマーケティング用のコピー(宣伝文句)の表示に使うことは、引き続き認められていません。
ビルドレビュー提出時のリマインダー
ストアページに記載した内容をすべて完成させたかどうかを把握しやすくするため、見落とされがちな問題点が表示されるようになりました。これらのリマインダーは、ストアページに記載されている機能に応じて変わります。
- 複数の言語に対応するとストアページに記載している場合、それらの言語がビルドに含まれているかの確認が求められる
- マルチプレイヤー機能の利用に特別なアカウントが必要な場合、レビュー担当者向けの認証情報を入力する欄が用意される
審査は通常3〜5営業日、現在は最大12営業日
お知らせのよくある質問によると、Valveはすべてのゲームビルドを通常3〜5営業日以内にテストすることを目標にしています。ただし現在は遅れが生じており、最大で12営業日ほどかかっているとのことです。この遅れの多くは再レビューが必要になることに起因しており、今回の変更はゲームが初回のレビューをスムーズに完了できるようにするためのものだとしています。
新たに必須となった項目は、Steamworksのアプリランディングページの右側にあるリリースチェックリストで確認できます。リリースチェックリストのリファレンスガイドを追加したドキュメントも、近日公開予定です。
Valveが挙げる「レビューを迅速に進めるコツ」
よくある質問では、レビューチームが通常チェックしている重要なポイントとして、次の3つが挙げられています。
- ストアページとアセットは明確で、すべてそろっているか:テキストによる説明が不完全または不明瞭すぎる場合や、カプセル画像内のロゴが判読できない場合に、不適合になるケースがよく見られるとのこと
- ゲームのビルドは、ストアページで約束している内容と一致しているか:レビュー担当者はゲームをインストールしてプレイし、ストアページに記載された機能がすべて実装されているか、記載されたすべての言語を選べるかなどを確認する
- 顧客に明確に開示されていないセンシティブなコンテンツが含まれていないか:ゲーム内のコンテンツを、コンテンツアンケートで開示した要素(大人向けコンテンツやAIの使用など)と比較する
審査が混み合っている今、再レビューになるとリリースの予定に影響が出るおそれがあります。Steamでのリリースを控えている開発者は、提出前にSteamクライアントから実際にゲームを起動して動作を確かめるとともに、ストアページの記載とビルドの内容が一致しているかを見直しておきましょう。Steamworksのドキュメントでもビルドのレビューには少なくとも7営業日を見込むよう案内されているので、余裕を持って申請しておくと安心です。
- Steamworks お知らせ: https://steamcommunity.com/groups/steamworks/announcements/detail/696528162820984746
- Steamworks レビュープロセスのドキュメント: https://partner.steamgames.com/doc/store/review_process



