神社が好きだからです。日本の神様は、基本的に良い神様と悪い神様に明確に分かれておらず、味方にも敵にもなり得る。その在り方が「御恩」という文化を体現しているようで、とてもいいなと思ったのがきっかけです。
一作目の『さとり』では、神社の賽銭に対して悪い行いをすると天罰が下り、良い行いをすると良いことが起こる仕様になっています。また、神様ではありませんが、妖怪の「さとり」も、ストーリーの分岐によって良い存在にも悪い存在にもなります。
二作目の『祇園回廊』は、神隠しをモチーフにしたループ型の異変探しです。一見、神様のいたずらのように思えますが、最後にはその考えが覆るかもしれません。
私は、人の心を動かすゲームを作ることを目標にしています。ゲームは芸術です。どのような形で人に伝えるか、常に悩み、苦労しているところです。
起承転結のうち、「起」と「承」でプレイヤーを事象に引き込み、「転」で体験を与え、「結」で気づきを促すことを意識して作っています。
「祇園回廊」では、異変をすべて見つけ、いわゆるクリア判定になったあと、異変のない回廊を2回ほどループします。遊び手は「バグか?」と思うかもしれません。でも、それでいいんです。これは「結」で、「異変がないことこそ一番の異変」だと伝えるための体験です。