専門学校で教員をしているのですが、当時の教え子が「面白そうなゲームのネタないですか」と聞いてきたとき、以前から温めていたファストフード店をゲームにするアイデアを提案しました。ハンバーガーは複数の材料を重ねるだけのメニューなので、上から材料が降ってきて皿を入れ替えながら組み合わせるゲームのイメージが頭の中に映像として浮かんだんです。 結局、その学生には採用されませんでしたが、自分の中ではいけると思ったのでそのまま作ってしまいました。
まずはハンバーガーを置く皿をどう動かすかを考えたときにグルグル回る観覧車のような動きが浮かんで、10枚を楕円状に並べることにしました。 また、材料の落ち方にもかなり試行錯誤しました。最初はリアルな落下運動を実装したんですが、加速しながら落ちてくる具材に操作が追いつかなくて攻略を考える暇がない。結局、一定速度で落ちる動きに変えました。「動き」に関することは実際に動かしてみないとわからないことが多いですね。
一番大きかったのは、材料を選ぶアルゴリズムの改良です。最初はランダムに材料を落としていたんですが、それだと最初からまだ必要でないケチャップや上のバンズが落ちてきて、プレイヤーには何も悪いことをしていないのに理不尽に失敗してしまう。「ゲームが難しいのはともかく、不親切なのは許してもらえない」という考えから、いま作られているハンバーガーの状態に合わせて必要な材料だけが落ちてくる現在の仕組みに変えました。
現在のターンテーブルの状態を調べて、そのときに開示されているハンバーガーの組み合わせと照らし合わせます。そして各ターンテーブルで次に必要とされている材料をすべてリストアップし、その中からランダムで選んだものを落とすという仕組みです。 つまり落ちてきた材料は必ずどこかのターンテーブルで使えるので、プレイヤーが理不尽に感じることがなくなります。
マクドナルドのCMでよく見るハンバーガーが着地した瞬間にボヨンと跳ねる動き。あれを再現するのには苦労しました。ゲームとして必要な要素では全くないんですが、こういう「なくてもいい妙なこだわり」がプレイヤーに開発者の力が注がれていることを伝えるんじゃないかと思い、20回近く調整しながら実装しました。これを入れてからゲームがぐっと楽しくなりましたね。
お客さんの注文の中には「おまかせ」というものも面白いと思います。これはテストプレイ中に学生から「お客さんからどんなハンバーガーでもいいという注文が出たらどうですか」というアイデアをもらって採用したものですが、ターンテーブルに余っているハンバーガーをそのまま渡せるので大変な中にちょっとしたラッキーな瞬間があってゲームにメリハリが生まれます。 ハンバーガーを作るというシンプルな目標の裏に段取りや先読みが問われる奥深さが隠れています。5ツ星を目指して、ぜひ楽しんでみてください。
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