今回は、タイトルロゴの制作について少し書いてみます。 ゲームのロゴは、たぶんプレイヤーの方が最初に見るものです。
Steamのストアページでも、SNSの画像でも、イベントの展示でも、まず目に入るのはタイトルロゴです。
なので、タイトル名が正式に『異界ノ宿帳』に決まってから、デザイナーさんと一緒に 「この作品のロゴをどう見せるか」をかなり話しました。
最初に出していた要望は、結構いろいろあります。
言うだけなら簡単です。ただ、全部入れると、だいたい読みにくくなります。
ロゴ制作は、雰囲気を足していく作業でもありますが、同時に「削らないと成立しない」 作業でもありました。
日本語と簡体字、両方で見えるロゴにしたい
本作は、日本語と簡体字の2言語に対応しています。
そのため、ロゴも日本語だけを見て作ればいいわけではありませんでした
このあたりを全部見ながら進めています。
また、中国語フォントで書体によってかなり形が違います。
普段、文字を読むときにはあまり意識しませんが、ロゴとして大きく置くと、こういう細かい差が一気に気になってきます。
いろいろ試して、だんだん“今のロゴ”に近づいていく
最初の段階では、かなりたくさんの案を出してもらっています。
並べて見ると、同じタイトルなのにかなり印象が違います。
『異界ノ宿帳』というタイトルは、漢字が多いです。
しかも「異界」「宿帳」という、どちらも意味の強い言葉が並んでいます。
なので、ロゴが少しでも読みづらくなると、「雰囲気はあるけれど、何と読むのか分かりにくい」状態になってしまいます。
逆に読みやすすぎると、今度は普通の文字列に見えてしまう。
この間を探すのが難しかったです。
縦にするか、横にするか
ロゴ制作の中で、かなり悩んだのが並び方です。
横に置くと、タイトルとしては読みやすいです。Steamのカプセルやバナーにも使いやすい。
ただ、『異界ノ宿帳』というタイトルには、少し“帳面”や“札”のような縦の空気も欲しい。 宿の中に貼られている案内、古い帳場に置かれた記録、そういうものに見えると作品に合います。
そこで、縦組みの案もいくつか出してもらいました。
縦にすると雰囲気は出ます。でも、読み順が難しくなります。
「異界ノ宿帳」と読んでほしいのに、配置によっては
のように見えてしまう可能性があります。
このあたりは、作ってみないと分からない部分でした。
並び方もいくつか案があって
①は元のだけどなんか読みにくいなぁと感じ、
②は「異」「界」の田の部首が同じなので1単語に見えるのと、 「宿帳」というある種見慣れた単語があるので「異界」「の」「宿帳」と認識しやすい。 「上から下に読む」「左から右に読む」が両立してて「異界」「宿帳」の間に「ノ」が入る順番で読める気がするというのもある。 それと単純に「帳(簿)」が下になるので重たい字が下にあってバランス良い。
③は↑の理由もあって右に重たい字があるとバランス崩れるかなとか。 あと③と④は「異ノ界」「宿ノ帳」って読んでしまうのではないだろかと思いました
最終的に、読みやすさと作品らしさの間に落ち着きました
最終的には、現在のロゴの形に落ち着きました。
このあたりのバランスを見ながら決めています。
ロゴの中央に入っている赤い意匠も、単なる飾りではなく、作品の中にある“異界らしさ”や“彼岸花の気配”を少し背負わせる役割として入れています。
全部を説明するロゴではなく、 見た人が少しだけ引っかかるロゴにしたかったです。
こうして制作過程を並べてみると、最初はかなりいろいろ試していて、そこから少しずつ削ったり、組み替えたりして、今の形になっているのが分かります。
ロゴは完成版だけを見ると一瞬ですが、そこに至るまでにはかなり細かい確認がありました。
今後も、こうした制作途中の話を少しずつ出していければと思います。
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