これは日本の逸話を再解釈したアドベンチャーゲームです。
「犬がかわいければ、愛着を持ってもらえる」・・・そう考えていました。
「大切な柴犬を救うため、妖怪をただ倒すゲームではなく、敵であっても救う3Dアクション」
この物語にたどり着くまで、私たちは少し違うゲームを作ろうとしていました。
日本犬が、古い日本の風景を駆け回る。 それだけでも、きっと魅力的なゲームになる。 そう考えていたのです。
柴犬には、感情を大きく表現しすぎない独特の魅力があります。 少し先まで歩いてから、こちらが来ているか振り返る。 危険を感じると、耳を立てる。 神社や山里、紅葉の森、雪山を駆ける。 その姿をゲームにしたいという気持ちが大きな理由の一つでした。
実在する柴犬の動きを観察しながら作ってきたので、うれしかったです。 でも、実際に遊んでいる様子や配信で、別の問題が見えてきました。
ムサシの見た目には興味を持ってもらえている。 けれど、プレイヤーとムサシが一緒に過ごした時間が短い。
この子を絶対に助けたい。 と感じてもらうところまで、関係を作れていなかったのです。
かわいい事と、かけがえのない存在になる事は同じではありませんでした。
当初は、ムービーと台詞だけで、タイキとムサシの出会いを描いていました。 しかし、プレイヤー自身がムサシを大切に思うにはきっかけが必要でした。
そこで現在は、ゲーム開始直後の体験を作り直しています。 神社の境内を、ムサシと一緒に日が暮れるまで遊びます
ムサシを呼ぶ。 追いかけたり、遊んだり、かくれんぼをする。 タイキが走り出すと、ムサシも走り出す。走った先で立ち止まって振り向いてくれる。
プレイヤー自身の操作によって、ムサシと過ごすだけの時間を作りました。
事件が起きる前に、 この子と離れたくない。 と思ってもらう。
見た目のかわいさだけではなく、関係そのものをゲームプレイとして作り直しています。
妖怪も、ただ倒すべき敵にはしない ムサシを「救いたい相棒」として描くことは、妖怪の存在にもつながっています。
本作に登場する妖怪は、最初から邪悪だったわけではありません。 誰かを守れなかった後悔。 大切なものを失った悲しみ。 成果を出せない事への恐れ。
そうした感情が穢れとなり、妖怪の姿や記憶を覆っています。
そのため、『モノノケの国』の戦闘の目的は、妖怪の討伐ではありません。
敵の攻撃をタイミングよく弾く「パリィ」で払い、穢れを削り、最後に妖怪を浄化します。
浄化した後には、その妖怪が抱えていた真実が明らかになります。 戦う前には恐ろしい怪物に見えていた存在が、過去を知った後には、別の存在に見えてくる。 その変化を、物語だけでなくアクションを通して体験してもらいたいと考えています。
少年タイキは、世界を救うために旅を始めるわけではありません。
ただ、ムサシを置いてきぼりにすることができなかった。 その小さな願いから、妖怪や神々の世界へ踏み込んでいきます。
ムサシを助けたいという気持ちがあるからこそ、目の前の妖怪にも立ち向かう。
一匹の柴犬を救うために始まった旅が、やがて忘れられた人々の記憶を救う旅へ変わっていきます。
目の前にいる大切な存在を、見捨てない。 『モノノケの国』で描きたいのは、その想いです。
【次に作っているもの】 現在は、タイキとムサシの関係を伝える序盤の改修を中心に、ムサシの仕草、目的地への誘導、移動の操作性、妖怪の記憶演出などを調整しています。
ゲームに登場する相棒を、「かわいいキャラクター」ではなく「絶対に失いたくない存在」だと感じるのは、どんな瞬間でしょうか?
皆さんが印象に残っている動物キャラクターとの体験があれば、教えてください。
柴犬と少年の小さな関係から、日本の神話を新たに作り出す。
それが、『モノノケの国』で挑戦していることです。
今後の開発ログでは、日本の逸話から妖怪の過去を作る方法、パリィと浄化を組み合わせた戦闘についても紹介する予定です。 この記事を読んでいただけたら、応援♥️とお気に入り⭐で開発を見守ってもらえるとうれしいです。
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