ローカルLLMのサンプルを検証しながら遊んでいたときに、会社の上司をロールプレイさせてみたら面白かったので、これをゲームにしたいと思ったのがきっかけです。
AIと会話するゲームとして、最初に考えたのは人狼でした。人狼はLLMの検証でもポピュラーなテーマですが、さまざまな記事を読んでいく中で、AIは投票行動が苦手だとわかりました。そこで、プレイヤーが一方的に尋問し、魔女を見つけ出す「魔女裁判」という形にたどり着きました。開発を始めた頃に『チ。』にハマっていたことも影響しています。
村人の個性や村人同士の関係性、会話を通じて変化する尋問官の印象値、聞かれたくない質問など、プロンプトの調整には苦労しました。特にローカルLLMを使っているため、できるだけ情報量を抑えつつ、尋問として成立させることに注力しました。
一番苦労したのは、魔女役の尋問難易度です。嘘が上手すぎてもゲームになりませんし、簡単にバレてしまってもつまらない。そのバランスをちょうどよく調整するのが大変でした。自分だけでテストすると尋問の仕方に偏りが出てしまうので、友人のテストプレイや実況動画を参考にしながら、最後まで詰めていきました。
ふざけた質問ばかりしていた実況者があっさり見つけてしまったり、かなり丁寧に推理していた実況者が失敗したりと、人によって結果がまったく違うのが面白かったです。これは狙っていたことでもあるので、その点は成功したと思っています。
村人同士の関係性を構築する際には、かなりAIを活用しました。まず、中世ヨーロッパで実際に魔女と疑われた人々の職業や、その理由をリストアップ。そこから性別や年齢ごとに人物を設定し、さらに各村人が互いにどのような関係にあるのかを整理していきました。そうした複雑な関係性を、いかに短くコンパクトなプロンプトでAIに伝えるかがポイントでした。
村人の年齢や性別、職業、ほかの村人との関係性など、必要な情報だけを短い言葉で簡潔にまとめました。その先の会話はAIに任せています。AIが考える余地を大きく残すほど、文章が豊かになっていくと感じたので、プロンプトで細部まで固めすぎないようにしました。
村人の編集機能を使って、自分の犬と話せるようにしたことがあります。元の村人同士の関係性の情報が残っていたため、犬がほかの村人を好きになってしまったのが面白かったですね。
自由に楽しんでもらえたらと思います。好きなキャラクターとの会話はもちろん、家族や友人を登場人物として登場させるのも面白いですよね。この機能は実況映えするのではないかと考え、組み込みました。
自由入力で尋問できるうえ、登場人物や魔女役、それぞれの性格や動機もランダムに決まるため、プレイする人ごとに新たな物語が紡がれていきます。自由度の高さに戸惑うこともあるかもしれませんが、プレイヤー自身が楽しさを見いだしていける、そんなゲームになっていると思います。
今後、AIを活用し、NPCと自由に会話できるゲームが増えていくと思います。『Hex Judge』を通して、そんな未来のゲーム体験を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
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