AIの専門家でもない私が、ローカルLLMを同梱したゲームをSteamでリリースするまでのお話です。
きっかけ
VRLab(空き家総合研究所)様のローカルLLMプラグインのサンプルを触ったことが始まりでした。
色々試しているうちに、
「これでゲームが作れるんじゃないか?」
という軽い気持ちでHex Judgeの開発が始まりました。
なぜローカルLLMなのか
一番の理由は、
プレイヤーが遊ぶたびに課金が発生するゲームにはしたくなかったからです。
最近はLLMを使ったゲームも増えてきましたが、 クラウドAIを利用する作品では利用料金が発生するものもあります。
ローカルLLMなら、一度ゲームを購入すれば追加料金なしで遊び続けられます。
この点は大きなメリットでした。
その代わり、性能との戦いが始まります。
プロンプトとの戦い
私の開発PCはRTX2060。
ローカルLLMを動かすにはギリギリの環境です。
そこで重要になったのが、
いかにトークン数を減らすか。
例えば、
あなたはトーマスです。 職業は羊飼いです。 20歳です。 男性です。
を
Thomas (20M, shepherd)
へ変更するだけでも、 AIの理解はほぼ変わらずトークン数を削減できます。
こうした小さな改善を積み重ねながら、 会話品質とのバランスを探っていきました。
GemmaかQwenか
日本語品質を重視して、
最後まで
で迷いました。
Qwenの方が会話は面白いことも多かったのですが、
薬草 → 药草
のように中国語漢字が混ざってしまうことがあり、
最終的にGemma2-9Bを採用しました。
しかし、この判断は後になって新たな課題を生みます。
Gemma4の登場
Gemma2で開発を進めていた頃、
Gemma4が発表されました。
特にGemma4-E4Bは軽量で、 このゲームには理想的な性能でした。
しかし利用していたプラグインは最新モデルへ対応しておらず、
更新を待つしかありませんでした。
Steam審査
Steam審査では2回差し戻しがありましたが、 無事リリースできました。
AI利用についてはかなり詳しく説明しました。
AIゲームの審査事例を見て不安でしたが、
ローカルLLMのみを利用し、
AIを文章生成だけに限定していたことが 良かったのかもしれません。
もちろんこれは推測ですが、 これからSteamへAIゲームを出す人は AI利用について丁寧に説明することをおすすめします。
中国では販売できなかった 一方で、 Steamでは中国での販売が制限されました。
問い合わせたところ、
使用しているAIツールが原因である可能性が高い
との回答でした。
中国向けに公開する場合は、
利用するAIツールやモデルにも 規制があるようです。
Gemmaを使用していたことが、 中国での販売制限に影響した可能性があります。
中国からのウィッシュリストは日本に次いで多かっただけに、 これはかなり痛い結果でした。
リリースして分かった課題
コンセプト自体は好評でした。
しかし課題も見えてきました。
Gemma2では、 ロシア語品質に限界がありました。
また、
モデル自体の速度にも限界があり、
テンポ改善は難しい状況でした。
そして現在
現在は、
利用していたプラグインをやめ、
自作プラグインでGemma4を動かしています。
AI専門家ではありませんが、
AIにプラグインの作り方を教えてもらいながら、
ゲーム内で動作するところまでは確認できました。
日本語はより自然になり、
会話生成速度も大幅に改善しています。
安定性が確認でき次第、
アップデートとして公開する予定です。
まとめ
リリースしたからこそ、
ゲームの課題も、
ローカルLLMの課題も見えてきました。
AIは今も急速に進化しています。
その進化に合わせて、
Hex Judgeも成長させていきたいと思っています。
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