Hex Judgeは現在12言語に対応しています。 個人制作の会話主体のアドベンチャーゲームとしては、多くの言語に対応できたと思っています。
これを実現できた最大の理由は、ゲーム内で使用しているローカルLLMです。
通常、アドベンチャーゲームでは膨大な会話テキストを翻訳する必要があります。
しかし、Hex Judgeでは会話とエピローグをすべてLLMが生成しているため、それらを翻訳する必要がありません。
翻訳が必要なのは、
程度です。
そのため、翻訳したワード数は約2,500語しかありません。
言語を追加する際も、翻訳作業にそれほど時間はかかりませんでした。 英語プロンプトを使う理由
対応言語は欧州圏が多いですが、これは使用しているLLMモデルが欧州言語に強いためです。
また、LLMへ送るプロンプトはすべて英語で統一しています。
理由は単純で、同じ命令でも英語が最もトークン数を節約できるからです。
トークン数は生成速度にも影響するため、少ないほど有利になります。
言語の切り替えも非常にシンプルです。
Output: Reply in Japanese only.
あるいは、
Output: Reply in Russian only.
のように、出力言語を指定するだけです。
LLMを利用したゲームは、この点でもローカライズとの相性が非常に良いと感じています。
一番苦労したのはゲーム外
ゲーム本体より苦労したのは、SteamストアページやPVなどの周辺対応でした。
特にPVを12言語へ対応するのは現実的ではなく、英語字幕をベースに対応する形にしました。
多言語デバッグは想像以上に大変
Hex Judgeは自由入力で尋問するゲームです。
日本語と英語であれば自分で入力できますが、中国語、韓国語、ロシア語などは、文字入力すらまともにできません。
そのためデバッグでは、
という、かなり地道な方法で動作確認を行っていました。
正直、海外リリース前は少し不安でした。
ですが、今のところ海外プレイヤーから会話の品質に関する大きな問題報告は届いていません。
おわりに
LLMを利用したゲームは、ゲームデザインだけでなくローカライズの負担も大きく減らせる可能性があります。
実際、Hex Judgeでは約2,500語の翻訳だけで12言語対応を実現できました。
ローカルLLMをゲームに組み込むことで、これまでより多くのプレイヤーへ作品を届けやすくなる――そんな可能性を感じています。
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