先日、うちのイラストレーターが「実際の画面で見ると色味がイメージと違った」と言って、納品済みのイラストを自分から直しに来てくれました。
嬉しい出来事なのですが、ポイントは「実際の画面で見ると」の部分です。今日は、チーム全員がいつでも最新版のゲームを遊べるようにしたら色々と良いことが起きた、という話をします。
うちのチームは完全フルリモートで専門の違うメンバーがそれぞれの持ち場で作業しています。イラスト、音楽、UI、シナリオ——それぞれの成果物はDiscordで共有されるけれど、組み上がった「動くゲーム」を触れるのはエンジニアだけ、という状態になりがちでした。
自分の作ったものがゲームの中でどう見えるのか、いまプロジェクト全体はどこまで進んでいるのか。作っている本人たちが、それを実感できる場が少なかったんです。
うちにはリードエンジニアのgodzyさんがいます。ゲーム開発歴30年、私が生まれた頃からゲームを作っている大ベテランで、最近はローカルにLLMのサーバーまで立ててしまう、ムキムキのスキルセットの持ち主です。
そのgodzyさんが構築してくれたのが、Jenkinsによるビルドの自動化。そこにWebGLビルドを追加してもらいました。
開発の変更が入るたびに自動でブラウザ版が生成されて、そのURLにアクセスするだけで、チームの誰でも、いつでも最新版をプレイできるようになりました。
インストール不要、URLを開くだけ。エンジニアでなくても、です。
とはいえ、すんなり動いたわけではありません。ブラウザで動かすWebGL版は独特の癖があって、ムービーが再生されなかったり、ファイルが二重に同梱されて容量が膨らんだり、圧縮したファイルの配信設定が必要だったり。このあたりはgodzyさんが着々と潰してくれました。
まず、みんな「自分が作ったものがゲームで動いてる」と体感できるとテンションが上がるんです。ゲームが日々変わっていくのが見えるので、自分の作業はこれにつながってるんだとわかってやる気が出る。
そして冒頭の色味の一件です。イラストレーターが実画面を確認して、違和感に気づいて、こちらが何も言わないうちに直してくれた。それから、実際に触ってみて「ここはこっちの方が良いな」という提案がすぐに出せるようになった。フィードバックのループが、明らかに速く回るようになりました。
完成を待ってからお披露目するのではなく、未完成の「今」を全員が触れる状態にしておく。動くものをクリエイター自身が見られる環境は、めちゃくちゃ大事です。品質のためでもあり、それ以上にチームのバイブスのためでもある、というのが今回の実感でした。
この環境を土台に、開発をさらに加速していきます。
いま作っているのはSF群像劇ノベルゲーム『三位一体の単一点』。三人の主人公のあいだで「思考の断片」を受け渡して、一人では辿りつけない答えを見つけていく物語です。チームで磨いた最新版を皆さんに遊んでもらえる日を、楽しみにしております。
フォローすると、開発ログや新作ゲームの公開が通知されます