連載の途中から来た人のための、1本です。 このゲームが何なのかを、先に言っておきます。
聞きたいことを日本語で打って、町の人から話を聞き出す推理アドベンチャーです。
流氷の寄る北海道の港町、霧走町。 防波堤で漁協の組合長が死に、署は事故と見ている。 東京から来た刑事として、町の人に会い、話を聞き、食い違いを見つけていきます。
場所へ行って、話す相手を選ぶ。 それから、入力欄に一文を打ちます。
事件が起きた夜、あなたは何時までどこにいましたか
返事は、その人の言葉で返ってきます。 同じことを「昨日の夜はどこにいた」と短く聞いても、同じ証言に届きます。 決まった呪文を覚えるゲームではありません。 助詞が抜けていても、語順が少し違っても、だいたい通ります。 通らないときは、その人が「そういう話か?」と聞き返してくるので、言い方を変えてみてください。
聞いた話は、捜査手帳に残ります。 誰から、どこで、何を聞いたか。 人物や場所から記録を探して、あとから読み直せます。
同じ夜の話なのに、時刻が合わない。 ある人が当然のように話したことを、別の人は知らない。 会話の中では流れていった一文が、手帳で並べると気になってきます。
人物や物の関係は、図でも見返せます。 図に載るのは、捜査で分かったことだけ。 最初はほとんど空で、聞き込みが進むと埋まっていきます。
手帳と図を行き来して、次は誰に何を確かめるかを決める。 そして、また入力欄へ戻ります。 図は答えを教える装置ではなく、自分が集めたものを眺め直す机のようなものです。
怪しいと思ったら、どの話が食い違うのかを文章にして相手に伝えます。 誰が何と言っていたのか。 現場で何を見つけたのか。 指摘を受けた相手の返事だけでなく、間や様子にも目を向けてみてください。
最後は、集めた材料から事件の見立てを自分の言葉で示します。
町には、行ける場所がいくつかあります。 港と船小屋、食堂「番屋」、宿「潮見荘」、駐在所、防波堤、岬の高台。 最初はここから。 捜査が進むと、行き先が増えます。
場所を移ると背景の絵が変わって、雪の匂いや湯気や網を繕う手のことが、短い地の文で入ります。 背景は少ない色で作った少し古い雰囲気の絵で、文字が読みやすいように情報量は抑えてあります。 聞き込みの間には、刑事の側の短い物語と、町の人の小さな場面を読むところも入ります。 質問するだけの時間にならないように、読む時間も置いています。
たとえば、こんな流れになります。
宿で目を覚まして港へ出ると、網を繕っている佐伯がいるので、事件の夜のことを聞いてみる。 返事の中に時刻と場所が出てきて、手帳を開くと、その一文が佐伯の名前の下に残っている。 次に食堂「番屋」へ移って、女将のハルに同じ夜のことを聞くと、少し違う話が返ってくる。 手帳で二つを並べるとどこが違うかが見えるので、その違いをそのまま次の質問にする。
これが一回りで、一回りごとに聞ける相手と行ける場所が少しずつ増えていきます。 急がなくても進むし、急いでも解けません。 一つの質問で事件が動くこともあれば、その人の話を知るだけで終わる一往復もある。 それを無駄な入力として切り捨てないように作っています。
本編は三つの章に分かれています。 章が変わると、刑事の問いも変わる。 最初は「本当に事故なのか」。 そこから先は、遊んでから。
途中で保存して、翌日に同じ証言から再開できます。 会話の履歴も手帳も、そのまま残ります。 一晩おいて読み返すと、同じ一文が違って見えることもある。 急いで解く必要はありません。
向くのは、人の話を聞くのが好きな人で、証言を読み比べて自分の言葉で聞き直すのが面白いと思える人です。 派手な演出や一発逆転の推理を待つ人には、たぶん向きません。 文章を打つのが面倒に感じる人にも、正直に言えば向かないと思います。 そのぶん、自分で聞いた話は、自分で聞いたぶんだけ気になります。
もう一つ。 このゲームには、分かりやすい悪人がいません。 犯人にも被害者にも、その人の暮らしがある。 誰が悪いのか、すぐには決められない。 そこが物足りないと感じる人には、合わないかもしれません。 そこが好きな人のために、作っています。
その場で台詞を作るAIとの会話ではありません。 返事は、あらかじめ書かれた台詞と描写から選ばれます。 だから、何でも答えてくれるわけではない。 話が曖昧なら聞き返されるし、その人が知らないことは返ってきません。
町の人は、事件のために立っているのではなく、それぞれの仕事と暮らしの中にいます。 誰が悪いのか、すぐには分からない。 そういう話です。
本編は全三章。 第3章まで実装を終え、テストと調整の途中です。 第1章の無料デモを準備しています。
この連載では、町と人の話、遊び方の話、作っている側の裏話を毎日出していきます。 気になる回から読んでもらえれば。
この町が気になったら、Steamのウィッシュリストに入れておいてもらえるとうれしいです。
[[STEAM_LINK: https://store.steampowered.com/app/5287530/?utm_source=gamewith&utm_medium=devlog&utm_campaign=gamewith04&utm_content=02]]
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