SIGNOS: AI Robot Builderは、ロボットを組んで、その行動AIを作って戦わせるゲームです。
ただし、戦闘が始まった後にプレイヤーがロボットを操作することはありません。
移動も、攻撃も、回避も、全部ロボット自身が判断します。
こういうゲームにした理由の一つは、私自身がプログラマだからです。
プログラムを書いていて、気持ちいい瞬間の一つが、
「自分が考えた通りに動いた」
という瞬間だと思っています。
頭の中で処理の流れを考えて、コードにして、実行する。
最初は思った通りに動かない。
原因を探して直す。
もう一度動かす。
そして、狙った通りに動いた瞬間。
プログラミングをしている人なら、この感覚はたぶん分かってもらえると思います。
SIGNOSでやりたかったのは、その面白さを、もっとライトに遊べる形にすることでした。
もちろん、本当にプログラムを書かせるゲームにすることもできます。
変数があって、条件分岐があって、ループがあって。
でも、それだとどうしても「プログラミングを知っている人のゲーム」になってしまいます。
SIGNOSではコードを書きません。
代わりに「思考タイル」を置いて、それを線でつなぎます。
敵を見つけたら攻撃する。
見つからなかったら前に進む。
障害物があれば旋回する。
基本はそれだけです。
でも、組み合わせていくと少しずつプログラムっぽくなっていきます。
条件を増やしたり、処理の順番を変えたり、無駄な処理を削ったり。
そして、自分で組んだロジックをロボットに渡して、実際に戦わせます。
ここで重要なのが、戦闘中に操作できないことです。
もし途中でプレイヤーが操作できてしまうと、ロジックが間違っていても、自分の腕で修正できてしまいます。
逆方向へ進んだら向きを直す。
攻撃しなかったら自分で撃つ。
それでは、「自分が作ったロジックが正しかったのか」が分からなくなります。
だから、戦闘が始まったら手を出せないようにしました。
あとは見るだけです。
自分で組んだロボットが敵を探す。
条件を判断する。
動く。
撃つ。
それが狙った通りに動いた時は、かなり気持ちいい。
逆に、思った通りに動かなかった時も面白いです。
「なんで今撃たなかったんだろう」
「この分岐、いらなかったかも」
「ここを先に処理した方が速いな」
そうやってロジックを直して、もう一度戦わせる。
気づけば、やっていることはデバッグとかなり似ています。
ただし、コードを書く必要はありません。
SIGNOSでは、頭部パーツごとに使えるメモリー量と演算能力が決まっています。
たくさん条件を入れれば賢くなりそうですが、分岐が増えれば処理も重くなります。
複雑なAIが判断を重ねている間に、単純なAIが先に攻撃までたどり着くこともあります。
「何を入れるか」だけでなく、「何を入れないか」も大事になります。
この辺りも、プログラムを作っている時の感覚に少し似ています。
高機能にすれば必ず良くなるわけではない。
必要な処理だけに絞った方が、きれいに動くこともある。
そういう面白さを、プログラミング経験がなくても遊べる形にしたかった。
それが、SIGNOSを作り始めた理由の一つです。
ロボットを上手く操作するゲームではありません。
自分が考えたものが、自分の手を離れて、思った通りに動く。
その瞬間を楽しむゲームです。
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