こんにちは。 失踪した科学者の住宅兼研究施設で謎の生命体を培養する『カルチャーハウス』というゲームを開発しているフツララです。
GameWith Indieさんが、Xでカルチャーハウスの開発ログについてポストしてくれたのですが……
終末培養ADV『カルチャーハウス』(フツララ)の開発ログを公開中🧪 文明が衰退した世界で、謎の生命体を培養する7日間。「可能な限り1人で作る」と決めた理由も語られています。 作り手の考えごと、完成まで追えます。 indie.gamewith.jp/games/cultureh… #GameWithインディー #カルチャーハウス
それはともかくとして、6月20日と21日に東京郊外の多摩センターで不穏なインディゲームだけを集めた展覧会、TAMA インディゲーム展覧会 dissonance #1 『不穏』を開催しました。
この記事では、不穏なインディゲームの展覧会について振り返ります。
不穏とは何か? 不穏は、予測不可能な状況や正体不明の存在と遭遇した時に人間(と一部の生物)が抱く感覚だと考えます。
人によっては、それをストレスと感じ、避けるべき、あるいは排除すべきと思うかもしれません。
(わからないものを避けることで、危険と出会う確率やエネルギーの消費を減らせるので、中枢神経を持つ生物が進化する過程で「不穏を嫌う」という本能が発生したのだと思います)
一方で、脳の外套領域が発達した鳥類や哺乳類は、未経験の存在や状況と出会うことで新しい知識や行動パターンを学習できます。特に人間は、知識や概念を個人の脳に記憶するだけでなく、言葉や文字にして周囲や後の社会に伝えていく特徴があります。
わからないものを嫌悪するのではなく興味を持つ――つまり、不穏を愛する心理によって、人類は過去のある時点に留まらずに、科学や文明を発展させてきたのだと思います。
インタラクティブ性やアルゴリズムによって展開が変化するゲームは、筋書が固定されている小説や映画以上に不穏な感覚を表現するのに適したメディアだと思います。
とりわけインディゲームには、(カフカの小説やムンクの絵画のような)作り手の内面から湧き出る天然の不穏さに溢れたタイトルがたくさんあります。
それはインディゲームが選ばれる理由の1つでもあると思うのですが、不穏さは権威主義や商業主義的な立場から集団にとって「有害」あるいは「無用」と見做され排除や忌避の対象とされてきた過去もあります。(ナチスが表現主義やダダを退廃芸術として禁止したように)
現在よりも未来、社会の中心よりも外縁を目指すのは勇気だけでなくある種の狂気も必要ですが、歴史を振り返ると、既存のニーズや価値観、体制に従わない、イレギュラーな思考や行動パターンを持つ人が果たしてきた役割は明白です。
インディゲームが産業やビジネスとして注目され、政府や企業の影響力が増す中で、インディゲームが天然の不穏さを失わずにいられるか、というのは注目すべき課題だと思います。
きっかけは2025年のBitSummitでCultureHouseを展示していたフツララが、近くのブースでA Passing in the Nightという不穏なウォーキングシムを展示していた.irisさんたちから声をかけられたことでした。 どちらも不穏な空間が舞台のゲームを開発していること、活動拠点が東京郊外の多摩市であることから、「地元で不穏なインディゲームの展覧会を開催する」ことを思いつき、その日のうちに.irisさんたちに趣旨を説明して「やろう」という所まで話が進みました。
初対面の人とそんなスピードで物事を決めることはあまりないと思いますが、それもまた不穏が持つ引力ではないかと思います。

dissonance(ディゾナンス)は「不協和音」という意味です。
(不穏の訳語として.irisさんから提案された言葉ですが、次回以降を「不穏」以外のテーマで開催することも想定してイベント名になりました)
「不協和音」という概念は展示のラインナップにも反映されています。
出展タイトルは基本的に主催者側から声をかけて集めたのですが、作品内容に対する画一的な基準ではなく、雑多なゲームを一つの会場に集めた時に、不穏さを心地良く感じる空間が形成されるかどうかという視点から選びました。
出展作品のほとんどはitch.ioやSteamのページがあるので、興味があったらクリックしてみてください。
Meet Me At Shinjuku Station
https://rinoaskyes.itch.io/meet-me-at-shinjuku-station
Solastalgia
https://farfama.itch.io/solastalgia
Reality Control Fragments
https://postcommercialismalliance.itch.io/









古代の人々が祭祀を行っていたように、天文学的な区切りが良い日は何かが起きそうなイメージがあります。 そこから、開催日を6月20日(土)と21日(日)の夏至に決定して、半年前に多摩市にある文化複合施設『パルテノン多摩』の市民ギャラリーを予約しました。
出展料が無料とはいえ、取材や来場者が来ないと時間を割いて出展してくれた人に悪いので、国内の主要なゲームメディアには事前にプレスリリースを送っています。
イベントのキービジュアルやWebページ、チラシ、ポスター、パンフレットは.irisさんたちがデザインしてくれました。
https://www.dissonance.tokyo/
幾つかのメディアでプレスリリースを掲載してもらえただけでなく、主催者へのインタビューの依頼が2件あって、展覧会のコンセプトや開催したきっかけについてお話しすることができました。
IndieFreaks
https://www.indie-freaks.com/2026/04/tama-indiegameexhibition-dissonance
DEKIRU!
https://media.wakasa.jp/articles/gamelife/7699/
初日は朝の9時から出展者さんたちにも手伝ってもらって設営をしました。
(机やパーティションを配置した後に、ローリングタワーという大きな足場を使って.irisさんが天井の照明を細かく調整していました)
設営がほぼ終わったタイミングでいくつかメディアが取材に入り、間もなくして開場時間の13時になりました。
当日の会場の様子は、主催者が書くよりも、観にきてくれた人たちの写真や感想の方が伝わると思いますのでこちらをどうぞ。
じゃあ『TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance #1 「不穏」』の話するか。作品別感想はツリーに繋げるわね。暗いお部屋で不穏な雰囲気に浸りながら遊ぶ、ゲームとインスタレーションの狭間みたいな体験が出来て楽しかったです。 dissonance.tokyo
TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance #1 「不穏」 行ってきました! 落ち着いたミュージアムのようなスタイリッシュな雰囲気に、薄暗い照明でしっかり不穏さに没入することができました。 遊んだゲームを紹介していきます!
多摩インディーゲーム展覧会 Dissonance #1「不穏」 dissonance.tokyo ひと作品ごとに広くスペースを取っていたり、奥に行くほど暗かったり、「展覧会」として異質な個性が発揮されていて、最高に不穏な体験でした👏 真っ暗闇の中でゲームするの、良い…
Dissonance #1 「不穏」に行ってきたわよ! 有志のクリエイター主催によるインディーゲームの展示会だけど、設営と展示物の一貫性といい高品質で素晴らしかった
パルテノン多摩で行われた『不穏』に行ってまいりました。 15タイトルと絞られた作品、濃密な空間、お目当ての座談会、とっても素敵でした🙌🏻 早めにnote書くど! #Dissonance #不穏
インディーゲームのイベント「不穏」とても良かった! 出展してるゲームもだし、会場の雰囲気も電灯がグラデーション的に点いており、素晴らしく不穏でした! 明日もやっているので、パルテノン多摩に近い方々はぜひ!!!
不穏なインディゲームの展覧会 dissonanceに来場される方へのご注意です⚠️ 京王線の調布駅での乗り換えを忘れて八王子や高尾山口に行ってしまわないように気をつけてください🚃👻⛰️ 会場がある多摩センターを通るのは橋本行きです dissonance.tokyo
TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance #1 「不穏」 とてもよかった(小並感)。明日もやってるので不穏なゲームが好きな方はぜひ。 dissonance.tokyo
パルテノン多摩で開催された『不穏』に行ってきました!ホラーとも一足違う"不穏"なゲームを集めたイベントです🟣✨ 会場の仄暗い雰囲気が……既にイイ✨ 試遊も沢山できて楽しかったし、座談会も話がどんどん深くなっていって良き!でした🐈 次もまた、やって欲しい!!🫶🍸 #Dissonance #不穏
『不穏』行ってきた。雰囲気ダークでよかった
パルテノン多摩で開催されている、disonance 不穏、に行ってきました。 非常にいいです。ちゃんとしたカメラ持ってけば良かったですかね。 やっぱりこういう、場、に行かないとわからないこともたくさんあります。
不穏なゲーム展覧会「Dissonance」にて展示されていた、「蛙電話」「行方不明の豆知識調査員」(2つ世界観を共有しているようです)もとても刺さりました。 SIRENパラノマサイトみたいな民俗伝承ゲーム好きとしてたまらなかったです!ブースのアイテムの装飾の、不穏な蛙・電話・人影も良い味でした。
蛙電話に興味を持ってくださっている皆さんに、ゲームの世界観をより深く楽しんでいただきために、ARGサイト『行方不明の豆知識調査員』を開発しました。 現在も開発中ですが、このARGは、「TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance」にて先行体験できます!ぜひ遊びに来てください! #スーパーゲ制デー
#dissonance #不穏 多摩センターでのゲームイベント「不穏」に行ってきました。 パンフレットの会場図の通り不規則でゆったりした配置だとか照明だとか、物陰で誰かが楽しげに、或いは不吉にささめいていそうな雰囲気含め、とても素敵で充実したイベントでした。 明日もやってるってよ!!
TAMAインディゲーム展覧会 Dissonance 不穏 所感 ・展示イベントと思えぬ程暗い空間で試遊という稀有な体験 ・どの作品も尖りに尖ってて個性が出ている。ゲームに併せた展示物などもあり美術作品を観る感覚 ・奥に進む程暗くなる中で未知なるゲームを探すのは、体験としても不穏を味わえて良かった
不穏なインディーゲーム展覧会 Dissonance、短い時間しかいられなかったけど行ってよかった!テーマに沿った空間作りと作品選出で面白かった! いろんなジャンルのゲームを遊べるイベントも楽しいけどこういうコンセプチュアルなイベントも楽しいな〜 天気も施設もちょっと不穏みがあってよかったw
#不穏 #dissonance 多摩センターでのインディーゲーム展示会行ってきました 展覧会のような落ち着いた雰囲気で、それぞれのゲームにじっくり向き合えて良かったです 座談会も開発者さんの体験や思考の傾向、アートの文脈でみるゲームとはみたいなお話が沢山聞けて楽しかったです!
#不穏 #dissonance 不穏なインディゲームの展覧会 dissonance 座談会開始を待ってたら急に「SOLASTALGIA」の制作陣によるゲームプレイ×朗読劇が始まった 力強い声とサウンドと共に大きなスクリーンに映し出された森の景色が赤く染まる様に圧倒された 今日この瞬間パルテノン多摩に居られて幸運だった
不穏行ってきました 全体薄暗い雰囲気の中で不穏なインディーゲームの試遊ができるの、会場も静かでかなり良かった ほぼ全て遊べました!またやって欲しい
開催前は「がらがらor混雑」になる心配をしていましたが、土日で約200人の人が来てくれて、会場規模や展示作品数に対して理想的な賑わいになりました。
長時間滞在して、たくさんのゲームをプレイしてくれる人が多かったのも良かったです。
初日の展示終了後には、出展者の中の有志5人と、SNSを通じて奇妙なゲームを紹介する活動をしているごだかさんを交えて座談会を開催しました。
Dissonance『不穏』 15タイトルのゲームが独特な間取りで遊べる展示会。普段のプレイ体験より一層世界観に没頭できる素晴らしい空間です。 座談会も開発の方々の不穏に関するお話を伺えてとても楽しい時間でした。イベントは明日まで開催されてるのでぜひ。
【 Dissonance|イベント紹介 】 6/20(土) , 6/21(日)パルテノン多摩にて開催される不穏なゲームを集めた展覧会『Dissonance』の出展タイトルを本日から紹介していきます。 また、6/20(土)19:30から実施される座談会に、私も参加させていただくことになりました🙇♂️ 当日楽しみにしております。
座談会の内容は初日の開場前から取材してくれたライターの高橋祐介さんが、4Gamerでレポートしてくださっています。 (とても良い記事ですのでぜひ) https://www.4gamer.net/games/991/G999110/20260630029/
(以上で不穏なインディゲームの展覧会、dissonanceの振り返りは終了なので、長いと思ったらここでページを閉じてもらって構いません)
思いつきと勢いで挑戦した不穏なインディゲームの展覧会ですが、面白かったと言ってくれて次回以降を期待してくれる人が多いので開催した意味は十分にありました。
イベントの主催は初めてだったので準備に時間をかけましたが、dissonanceならではのフォーマットを確立できたし、費用もそれほどかかっていない(開催コストと入場料が相殺してほぼ±ゼロ)ので、第2回を開催することは難しくありません。
しかし―――この先もdissonanceを続けていくとしたら、主催者がインディゲーム開発者としての活動を継続できているかどうかが一つの条件になると思います。
フツララが制作しているカルチャーハウスは、数年前にインディゲームのパブリッシングに参入した大手出版社と販売契約を結んでいたのですが、dissonanceの開催等を理由に「個人でそこまでできるなら支援は必要ないのでは?」という趣旨のことを伝えられ、契約の終了を提案されました。
販売契約の終了は、「販売権が返ってきて自分でパブリッシングすることもできるし、新たなパブリッシャーを探すこともできる」という自由を得られる一方で、「予定していたローカライズやQA、プロモーションなどの支援がなくなる」というソロ開発者にとっては明らかなデメリットもあります。
dissonanceを開催したこと自体に後悔はなく、さらに言えば経済的な価値を一直線に追うより回り道をしても文化的な価値を追求した方が良いという考えは変わりませんが、「活動の軸は?」と聞かれればそれはイベントの開催ではなくゲーム制作なので、展覧会を成功させてゲーム制作が失敗したら本末転倒かなと思います。
そういったわけで、「不穏」を愛するあまり、首まで「不穏」に浸かっていますが、レールが敷かれていない状況そのものは、精神的に楽ではなくても自分自分を成長させ、より良い未来へつながる可能性があるので嫌いではありません。(それこそが不穏を愛する精神だと思います)
自分から不穏に近づくことは短期的に見れば生物として矛盾しているかもしれませんが、より先の未来まで含めて考えるとその選択が意味を持つ場合もあります。
dissonanceをたくさんの人から良かったと言ってもらえたように、カルチャーハウスも良い作品にして「不穏」が持つ可能性や意味を証明していきたいと思います。
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