『SIGNOS: AI Robot Builder』の主人公機「レガシー」には、最初からかなり古いパーツが使われています。 その中のひとつが、頭部パーツの「Link-E」です。
Link-Eで使えるAIロジックのメモリは5×4。20マスしかありません。
もちろん、ゲームを作る側としては最初からもっと広くすることもできました。
でも、あえて20マスにしています。
理由は単純で、最初に広すぎる場所を渡しても、かえって何をすればいいのか分かりにくいと思ったからです。
SIGNOSでは、AIタイルを並べてロボットの行動を作ります。
たとえば、
「敵を探す → 見つけたら撃つ → いなければ移動する」
といった処理をタイルで組みます。
戦闘が始まったあとは、プレイヤーは基本的に操作しません。自分で組んだAIに任せて、ロボットが戦います。
この仕組みを作っていて気づいたのが、最初から大きなメモリを渡すと、意外と難しいということでした。
何を置くか。
どこにつなぐか。
どこまで作ればいいのか。
自由度が高いぶん、考えることも一気に増えます。
それなら最初は、もっと狭い方がいい。
そう考えて5×4にしました。
5×4くらいだと、画面を開いたときにロジック全体がほぼ一目で分かります。 「あそこからここにつながっていて、この条件ならこっちに行く」
という流れを追いやすい。
できること自体を減らしたかったわけではなく、最初に考えなければいけない範囲を狭くしたかった、という方が近いです。
SIGNOSのAI構築に慣れるまでは、巨大なメモリは必要ありません。
むしろ、少し足りないくらいの方が分かりやすい。
実際にロジックを組んでいると、
「あと1マスあれば入るのに」
という場面がよく出ます。 そこで配置を変えたり、配線を短くしたり、似た処理をまとめたりします。
最初は初心者向けに狭くしただけだったのですが、作っている途中で、この制限そのものが結構面白いことに気づきました。
同じ動きを、もっと少ないタイルで作れないか。
無駄な処理を1個削れないか。
20マスの中にどう収めるか考えるのが、ちょっとしたパズルになります。
個人的には、このあたりからLink-Eというパーツがかなり好きになりました。
Link-Eはメモリこそ狭いですが、その代わり演算能力は高めに設定しています。 SIGNOSでは、ロジックの処理にも時間がかかります。
なのでLink-Eは、
「複雑なAIは載せにくいけれど、コンパクトなAIなら速く動かせる」
という頭部です。
ゲームを進めれば、もっと大きなメモリを持つ頭部も手に入ります。
ただ、大きければ必ず強いというわけではありません。
広いメモリを使って複雑な判断をさせるのか。
それとも20マスに必要な処理だけを詰め込んで、速く回すのか。
Link-Eは後者を選ぶためのパーツです。
なので、最初に装備しているからといって、途中で完全に不要になるようにはしていません。
主人公レイの機体は「レガシー」。
父親から遺された旧式の機体です。
最新鋭ではないし、スペックだけを見ればもっと便利なパーツはいくらでもあります。
でも、古いから弱いとは限らない。
制限があるなら、その中でどう使うかを考える。
結果的に、20マスというLink-Eの仕様は、レガシーという機体の設定にもかなり合いました。
最初は単純に、
「最初から広すぎると分かりにくいから狭くしよう」
というところから始まった仕様です。
それが作っているうちに、SIGNOSらしい遊びのひとつになりました。
20マスしかない。
じゃあ、その20マスでどこまでできるか。
たぶんLink-Eの面白さは、そこにあります。
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