東京ゲームショウ2026の『海の魚、ぜんぶ釣る』試遊版では、「8分で1万匹釣れるかな?」というチャレンジモードを用意しました。
その最後に表示されるのが、プレイヤーの名前と釣れた魚の数が入った賞状風のリザルト画面です。
この画面を用意して本当によかったな、と感じる出来事がありました。
今回は、このリザルト画面をどんな意図で設計したのか、そして展示を通して見えてきたことを振り返ってみます。
イベントの試遊は、遊び終わったら次の方へと交代します。通常のリザルト画面であれば、数字を見て「これだけ釣れたな」と確認した時点で体験は終わってしまいます。
しかし、せっかく貴重な時間を使って8分間遊んでいただいたのなら、その場限りの数字で終わらせたくありませんでした。
そこで、最初に入力してもらったプレイヤーネームと釣果を大きく載せ、賞状のようなレイアウトに仕立てました。ゲームタイトルだけでなく、「東京ゲームショウ2026 試遊記念」というテキストも1枚の中に収めています。
ただのスコア表示も、名前入りの賞状になるだけで「自分が遊んだ記録」や「今日ここで遊んだ記念品」へと変わるのではないかと考えました。
画面の下部には、カメラのアイコンとともに「記念に撮影どうぞ!」と明記しました。
一見ささやかな一文ですが、これが大きな役割を果たしてくれました。「撮影してもいいのかな?」と迷わせることなく、結果が出た瞬間に自然とスマホを構えるきっかけになったからです。
画面の右側には、Steamのウィッシュリストへ飛べるQRコードも置いています。ただ、主役はあくまで「プレイヤーの名前」と「釣れた魚の数」。ウィッシュリストへの導線は、そっと添える程度にとどめました。
Xを検索してみると、この賞状を写真に撮って投稿してくださっている方を何人も見かけました。
ブースで「SNSに投稿してください」と呼びかけたわけではありません。それでも「写真に残したくなる形」を整えておくだけで、試遊で体験したことがSNSへ広がっていく。正直、実際に見るまでここまでとは思っていませんでした。
投稿された写真には、釣れた魚の数だけでなく、ゲームのタイトルも、作品のビジュアルの雰囲気も、すべて1枚に収まっています。リザルト画面だけで文脈が伝わるようにしておくと、遊んでくれた本人の思い出になるだけではありません。タイムラインで見かけた未プレイの方にも、体験の楽しさを届けるフックになってくれます。
展示デモを作るとき、どうしても「何分遊んでもらうか」「どこまでゲームシステムを体験してもらうか」という“プレイ中”の設計に意識が向きがちです。
もちろん、最初から宣伝を狙いすぎた画面にはしたくありません。まずは遊んでくれた本人が嬉しくなる記念品であること。その土台があるからこそ、誰かに見せたくなったり、自然とシェアしたくなったりするのだと思います。
遊び終わったあと、プレイヤーに何を持ち帰ってもらうか。そこまで含めて体験をデザインすることの大切さを、今回の出展であらためて考えさせられました。
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