『Verdant Requiem』では現在、完成に向けたデバッグと並行して、操作性やユーザビリティの改善を進めています。
本作はSRPG Studioで制作しています。
SRPG Studioは、シミュレーションRPGを個人でも形にできる非常に優れた制作ツールです。一方で、長編作品として長時間遊んでいただくことを考えると、標準的な操作や画面構成だけでは、少し不便に感じる場面もあります。
そのため本作では、単に用意された機能を組み合わせるだけでなく、必要に応じてスクリプトや独自プラグインを追加し、細かな部分まで調整しています。
最近実装した機能のひとつが、マップカーソルの斜め移動です。 一般的なSRPGでは、カーソルは上下左右の4方向に移動します。しかしゲームパッドのスティックや方向入力を使っていると、斜め方向に入力したつもりでも、カーソルが縦か横にしか動かず、少し引っかかるように感じることがあります。
本作では、この操作感を見直し、斜め入力を受け付けるように調整しました。
非常に小さな変更ではありますが、マップ上を何百回、何千回とカーソル移動するゲームだからこそ、こうした小さな快適性が全体の遊びやすさにつながると考えています。
イベントや敵ターンを素早く進めるため、スキップ機能も用意しています。 ただし、入力した瞬間にそのままスキップされてしまうと、重要な会話や演出を誤って飛ばしてしまう可能性があります。
そこで本作では、スキップ入力時に確認ウィンドウを表示できるようにしています。
この確認機能は環境設定からON・OFFを切り替えられるため、
「誤操作を防ぎたいので確認が欲しい」
という方にも、
「確認なしで素早くスキップしたい」
という方にも対応しています。
また、確認ウィンドウがアイテム入手や取捨選択などの重要な処理と重ならないよう、表示条件も調整しています。
単に確認画面を追加するだけではなく、どの場面で表示すると便利で、どの場面では邪魔になるのかまで考えながら改修しています。
セーブやロードについても、確認ウィンドウを追加しています。 特にロードは、誤って実行すると現在の進行状況が失われる可能性があります。
そのため、
といった調整を行いました。
本作は長編SRPGでありますが、中だるみを防ぐ意味で1マップは極端なプレイをしなければ30分~長くても45分程度の想定です。
とはいえ、塵も積もれば山となるという言葉もあり、共通部分+各章中盤~後半+フリーシナリオなどで90マップを越えるとなれば話は別です。
だからこそ、プレイヤーの時間や進行状況を守る機能は、戦闘システムと同じくらい重要だと考えていて、限界はありますがシステム面の改善は図っていく所存です。
本作ではキーボードだけでなく、ゲームパッドでの操作性も重視しています。
攻撃や杖、アイテム使用時には、LB・RBに相当する入力で対象を切り替えられるようにしています。
また、戦闘予測画面ではボタン入力によって装備武器を切り替えられるなど、なるべく少ない操作で必要な行動に到達できるよう調整しています。
SRPGは、ユニット選択、移動、対象選択、戦闘予測確認といった操作を何度も繰り返すジャンルです。
一回ごとの差はわずかでも、数十時間規模の作品では、その差が大きな操作感の違いになってくると思っています。
ユーザビリティの改善は、画面に見える部分だけではありません。
たとえば、ユニットにカーソルを合わせた際に表示される移動範囲や情報表示についても、毎フレーム重い処理を行わないよう、更新頻度やキャッシュ方法を調整しています。
また、マップ上の光源、水面反射、オーバーレイ演出などについても、画面外では更新を抑えるなど、可能な範囲で軽量化を行っています。
基本的には演出面にこだわりたいと思っていますが、100人中90人が動作できない重さだと意味がありません。
演出と快適性の両立を目指し、処理負荷についても確認しながら実装しています。
本作を見て、SRPG Studio製だとすぐに分かる方もいらっしゃると思います。
もちろん、使用しているツールを隠すつもりはありません。
むしろSRPG Studioがなければ、個人制作でこれほど大規模なSRPGを完成に近づけることはできませんでした。
一方で、
「SRPG Studio製だから、この程度だろう」
と思われる作品にはしたくないとも考えています。
標準機能をそのまま使うだけではなく、
といった部分を一つずつ見直し、必要であればツール本来の仕様を越える形で改修しています。
目指しているのは、SRPG Studioらしさを完全に消すことではありません。
むしろ、優れたツールが故に慣れ親しんでいる方も多く、完全にらしさを消すことは、大衆が慣れ親しんだ操作性とトレードオフになることを意味します。
素晴らしい土台を活かしながら、その上に本作独自の操作感、画面構成、システム、演出を積み上げることです。
開発中に行っている改善の多くは、派手な新機能ではありません。
カーソルが少し動かしやすくなった。
確認画面のおかげで誤操作が減った。
対象の切り替えが早くなった。
戦闘前に装備を変更しやすくなった。
ロードを間違えにくくなった。
一つひとつは小さなものです。
しかし、長時間遊ぶゲームでは、こうした小さな違和感の積み重ねが、そのまま作品全体の印象につながります。
だからこそ、完成直前まで細部を見直し続けたいと思っています。
『Verdant Requiem』は、約70章の本編に加え、フリーシナリオやEXマップ、複数のルート分岐を含む長編SRPGです。
長い作品だからこそ、最後まで遊び続けられる操作性と快適性が必要です。
まだ調整中の部分や、テストプレイによって見つかる問題もあると思います。
いただいたご意見も参考にしながら、ゲームシステムだけでなく、操作感や画面表示についても改善を続けていきます。
SRPG Studioという優れた土台を使いながら、その限界を少しでも越えられるような作品を目指して。
完成まで、もうしばらく開発を続けてまいります。 今後ともよろしくお願いいたします。
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