モンスターは、気づけば156種以上になっていた。
進化がある。覚醒がある。ごくまれにしか出ない、隠れた職業がある。
装備が生えた。合成が生えた。星図を巡って強くなる盤面が生えた。
「これも入れたい」と言うたびに、次の朝には入っていたからだ。
そして中盤、目の前が暗くなる瞬間が来る。
「あのさ」
「うん」
「Steamのストアページに『英語対応』って、書いちゃったんだけど」
沈黙。
ゲームの中に散らばっている日本語を数えたら、821箇所あった。
全部を英語に置き換えないと、公開できない。書いたことは取り消せない。
素人2人だったら、ここで諦めていたと思う。
3日で終わった。
しかも「新しく日本語を足したら検査が止める」仕組みまで、ついでに作った。
以来、英語の抜けは一度も出ていない。
放置ゲームには、絶対に外せない数字がひとつある。
遊び切るまでの日数。
短すぎれば1週間で飽きられる。長すぎれば「作業ゲー」と言われて去られる。
俺たちは、最高難度のクリアまで20日と決めた。
でもこの数字は、調整のたびに動く。強い装備を足せば縮む。敵を強くすれば伸びる。
素人には、とても管理しきれない。
だから、番人を置いた。
到達日数を毎回シミュレーションで計算して、目標からずれたら、変更を登録できなくする仕組み。
以後、うっかり強すぎるものを足すと、機械のほうが赤く光って止めてくれる。
「作りたいものを作る自由」と「壊さない安全」を、同時に持てるようになった瞬間だった。
8月10日、画面のいちばん下に、小さなバーが現れます。
そこにモンスターが住みついて、あなたが仕事をしている下で、勝手に戦って、宝箱を持って帰ってきます。
もし少しでも面白そうだと思ったら、ウィッシュリストに入れて、この物語の続きを見届けてください。
売れても、売れなくても、続きは必ず書きます。